大石だけでなく横山の御大まで暗黒面に

C★ノベ最新刊 より引用

・「我が日本は、上が下に甘える国ではないか」
 というのが、最近、戦史等を紐解いて感じることです。
「日本軍は、下士官、兵は優秀だが、上層部は落第だった」
 という連合軍の評価がありますが、なまじ現場の人たちが優秀だから、上が甘えてしまう。
 軍歌「父よあなたは強かった」の「泥水すすり草を噛み」「十日も食べずにいたとやら」という歌詞を聞いた欧米の人が「反戦歌ではないのか」と言った、という話があります。
 補給が途絶し、前線で苦しむ兵士の姿を歌っているわけですから。
 歌の趣旨は「日本兵の頑強さの宣伝」だそうですが、私には「軍上層部の甘え」を、兵士の頑強さにかこつけて、正当化しているようにも取れます。
 この「上が下に甘える体質」は、今も変わっていないように思います。
 今年(2020年)春から始まったコロナ禍では、「春節前の、中国人の入国全面禁止」という措置を選択した台湾が最大の効果を上げましたが、日本政府はこの選択をしませんでした。
 国民の健康よりも中国政府の御機嫌取りを優先し、国内にコロナ患者を多数発生させたことに加えて、経済にも甚大な打撃を与えたのです。
 この選択をした政治家や官僚の頭の中にも「下に対する甘え」があったのではないか。
「パンデミックが起きても、医療従事者や国民が頑張って、何とかしてくれるさ」
 それが、政治家や官僚の考えだったのではないか。
 私には、そんな気がしてならないのです。