某かんべえ氏

〇それでも恒例の質疑応答となれば、例年通り活発な議論の応酬となる。いくつか興味深い論点がありました。以下はあくまでも備忘録として。

*当局は、国民に対して財政健全化の必要性をいかにすれば説明できるのか。
*外国人投資家の日本国債の保有率(現在約13%)は高いか、低いか。もっと増やすべきか、それとも低くとどめるべきなのか。
*コロナ対策予算をどのように位置づけるべきか。いずれは元に戻るから一般会計でよいのか、それとも特別会計にすべきなのか。
*国民一人当たり10万円の給付金は貯蓄に回ったのではないか。景気下支えになっていないのではないか。
*「2050年のカーボンニュートラル」という目標に対して、財政はいかにあるべきか。炭素税の可能性はいかに。
*「予備費5兆円」が使い残しとなったときの会計上の処理はどうなるのか。
*国債の増発に伴って短期国債の比率が増えたが、これらはどうやって処理されるのか。

〇他方、不肖かんべえが予算案を見て一番驚いたことは、今年度予算の歳入が当初予想からわずか1割減にとどまっていたこと(前年比▲6.0兆円の57.5兆円)。てっきり3割程度は落ち込むものと思ってました。ところがそうならなかったのは、我が国の歳入に占める消費税の比率が上昇しているから。所得税や法人税が下がっても、消費税は税収が安定しているのです。
〇これは財政の健全性という意味では立派なことだし、昨年の10%への増税の効果が表れているともいえる。とはいえ、逆に財政が持つビルト・イン・スタビライザーの効果は薄れていることになる。困っている人の手におカネはちゃんと届いているのだろうか。この辺はしみじみ難しいところであります。