>>800
こうだ。


はやぶさの偉業を見ると、俺という人間はなんとつまらない存在であるかを改めて思い知らされるね。
宇宙。それは人類に残された最後のフロンティアだ。かつて黄金の国ジパングを求めて大海原に挑んだ偉人たちの陰には
無数の散っていった名もなき者たちが存在する訳だが、この俺もまたそうした名もなき者であるに他ならないんだ。
アメリゴ・ヴェスプッチは死して尚数世紀後にも渡って名を遺し、やがては人類に知らぬ者なき、空前絶後の世界帝国の名として世にその名を轟かせることとなる。
だがそんな偉人たちも、その始めの一歩は皆取るに足らぬ些細な一歩であった筈なんだ。
ニュートンもアインシュタインも、時には同じ時代の凡俗たちからすれば「それで何の役に立つのか」という扱いを受けていた。
だが今や現代を生きる我々の暮らしは、彼らの遺した成果を糧として成り立っている。
だから俺もザーメンを撒くんだ。まだ生まれ来たらぬ少女の幸せのために。