その小型核兵器が使用されたことはまだありませんが、もうすでにロシアはそれを持っているはずです。先のプーチン大統領の発言もあり、使わないという保証はどこにもないと思いますね」(常岡氏)

 常岡氏は、この脅威はけっして他人事ではない、と強調する。

「ロシアが北方領土の独立を敢行し、“北方領土人民共和国” を作り、治安維持のため、ロシア本国から軍隊を派遣する、というようなシナリオすらも、本気で考えておかなければいけないと思います」

 北方領土でロシアとの戦闘が始まった場合、標的となるのは、もちろん北海道だ。

「2016年、メドベージェフ前首相は、北方領土の基地を拡大し、択捉島にS300Vという巨大地対空ミサイルの基地を造りました。そこには、最新型の戦車なども配備されています。

 しかも、日本にとっての脅威は北方領土だけではありません。カムチャツカ半島には、核兵器を積んだ原子力潜水艦の基地もあるんです。今すぐ侵攻を仕掛けることはないでしょうが、そのための拠点はすでに持っています。

 日本にも、今回のウクライナと同様に核の脅威が向けられ、それをもとにロシアが強硬な交渉に打って出る日は、いつか必ず来ると思ったほうがいいでしょう」(常岡氏).,