世界各国で開発中の新型コロナワクチン 主な種類は (NHK 2020 12/8)

世界各国の製薬会社や研究機関でさまざまな種類の新型コロナウイルスのワクチンの開発が進められています。 主な種類についてまとめました。

・生ワクチン
生ワクチンは「弱毒化ワクチン」とも呼ばれ、実際のウイルスの中から毒性の弱いものを選んで増やしたものです。
生ワクチンは効果が高いものも多く、はしかや風疹など従来からさまざまな病気に対して使われています。
新型コロナウイルスではワクチンメーカーの阪大微生物病研究会や東京大学などで研究や開発が行われています。

・不活化ワクチン
不活化ワクチンは、実際のウイルスをホルマリンで加工するなどして、毒性を無くしたものを投与するワクチンです。
季節性インフルエンザのワクチンはこの種類で、新型コロナウイルスでは、KMバイオロジクスなどが開発を進めているほか、中国では中国のメーカーの
ワクチンが限定的に投与されています。

・VLPワクチン
VLPワクチンは、ウイルスそのものは使わず、ウイルスの表面に出ている突起の「スパイクたんぱく質」を人工的に合成したものを投与します。
「スパイクたんぱく質」は、ウイルスを攻撃する抗体の目印となります。
人工的に作ったものを投与することで、人に備わっている免疫の働きによって抗体を作り出します。
新型コロナウイルスについて、国内では大阪大学などで研究が行われているほか、アメリカなどでは数万人規模で安全性と有効性を確認する最終段階の
臨床試験が行われています。

・組み換えたんぱく質ワクチン
VLPワクチンと同様、ウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」を人工的に作り出すワクチンです。
遺伝子組み換え技術を使ってたんぱく質を作って、投与することで、体内でウイルスを攻撃する抗体を作り出します。
国内では、製薬大手の塩野義製薬が開発を進めています。
(続く)