クローズドカップルドデルタやカナード付きデルタの航空機は前にラダーが付いているので
安定に関して負のフィードバックになり易い
例えば尾翼なら機首上げに対して戻そうとする力を働かせるが
カナードだとますます機首が上がる位置にあるのだ

逆に言えば機体姿勢を素早く変えられるという事にもなる
また機体重心は普通は後ろ寄りにあるので、重心から後方尾翼までの距離より
重心からカナードまでの距離が長く、テコの原理で動かしやすい
つまり、カナードは小さくても作用し易く、その分だけ空気抵抗が少なくて
速度を出しやすくなる

カナード付きデルタなどはフライバイワイヤのお陰で実現可能になったが
それが可能な電子制御技術が出来る頃にはCADによる設計もコンピュータの進歩とともに向上して
RCSを小さくするような設計も出来るようになった

そしてRCSの小さな戦闘機をアメリカの戦闘機メーカー各社が1980年代に研究していたが
F-16を作ったジェネラルダイナミクス社に関しては「カナードがあると戦闘機というもののRCSを
小さくする意味では不利だなあ」
と結論付けられてしまった

ロッキードによると戦闘機なら敵に向かって正面寄りを向けて飛ぶのが普通であり、
そこに電子制御でバタつき続けるカナードがあるとRCSが0.25m^2より小さくならなかった、というのである
動かさないで良いなら十分小さく出来るが、それだと主翼への負担は増す

J-20については、視界外戦闘ではカナードを使わず、有視界に敵が入ってきたら使う、という
運用であろうと思われる
敵が複数で有視界と視界外両方にいる場合どうするのかは不明だが、中国は物量も多いので
こっちも複数になればいい、という運用だろうw