M4A2「German」
イタリア戦線ではイギリス軍が供給されたM4A2 Sherman IIIを
砲塔を取り払った所謂カンガルー輸送車として運用していたが、
戦術の悪さもあって相当数が鹵獲された。
抵抗を続けるドイツ軍は対戦車兵器として使用する事を思い付き、
7.5 cm Pak 40を載せた対戦車自走砲として現地で改造された。
ただ車高の高さが災いして大した活躍は出来ず、本来は呼称として
用意されたマルダーⅣも結局は使用される事がなかった。

一方、その奇形な格好は現地の英米軍に大受けし、どんな鹵獲車にも
対戦車を載せたがるドイツ軍を揶揄してジャーマンM4と現地では
呼ばれるようになった。
これが戦後の長い期間を経て何時しか上述のM4A2 Germanとの
名称が定着したが、戦時中はそんな呼称が使われてなかった事を
正しく戦時中の詳細を知ろうとするものとして理解すべきである。