中国国防省の呉謙報道官は29日の定例記者会見で、突然「中国の空母は『引きこもりのオタク』ではない」と発言した。中国の空母は「張子の虎」であるとの世論を意識したものとみられる。

大紀元の軍事コラムニスト、沈舟氏は30日の寄稿で、米空母と比べて、中国空母の出動回数は少ないし、航行期間も短いと指摘した。

それによると、2020年4月、空母「遼寧」は母港の青島港を出航してフィリピン海に到着したあと、往路についた。往復期間は20日だった。今年4月、「遼寧」が再び出航し、沖縄本土と宮古島間や台湾周辺の海域、海南島付近に停泊し、現在、青島港に戻っているとみられる。今回の出動も1カ月。「出航は年に1回、航行期間は1カ月未満では、引きこもりと言っても過言ではない」と沈氏は述べた。

空母「山東」の出動期間は「遼寧」と比べて、さらに短い。19年12月、「山東」が中国の2隻目として海南省で就役した。しかし、その直後、「山東」は中国北部にある大連造船所に戻った。「山東」の製造自体が未完成だったのか、または大きな故障が起きたかと推測が広まっていた。20年9月「山東」は大連港を出て、11月には渤海と黄海で海上軍事演習に参加し、12月に海南省に帰港した。長距離の航行はなかった。

「1年間のうち、6カ月間任務を遂行し、残りの6カ月間は休養を取るという米軍の空母と比べて、中国空母の実力が大幅に後れていることがわかる」と沈氏は指摘した。