面白い分析
外交とは…うごごご

中国外交トップ「チンピラ発言」の狙いは自分の出世?
https://www.newsweekjapan.jp/sekihei/2021/03/post-14.php

さらにひどいことに、16分間の演説が終わった後でも、楊氏は依然として通訳に時間を与えようとしない。自分の話を終えたところで彼はすぐ、隣の王外相の方を振り向いて王外相に発言を促した。そこで女性の通訳が間に入ってきて「まず私に先のお話を通訳させて下さい」と求めたところ、楊政治局局員はようやく、自分の話の通訳を許した。

楊氏は相手のアメリカ人に自分の話が伝わることに全く気をかけていない。どう考えても彼は、会談の相手に発信しているわけではない。ならば彼は誰に対して冒頭の演説を行なったのか。内容からしても、楊氏はむしろ、その場にいる中国メディアの存在を意識して、中国国内向けに発信しているのである。

例えば彼は演説の冒頭にまず、中国の全人代の話をした。「第14次5カ年計画」や「脱貧困」の話もして、「中国人民が習近平主席の周辺で緊密に団結している」とも語った。しかしこれらの話は全く中国国内の話であって米中関係とも、米中会談とも関係ない。中共政権の幹部たちは国内向けの演説やスピーチにおいて、このような決まり文句を発言しなければならない。米中外交トップ階段で楊氏は、まさに国内向けのつもりで話していたのである。