諸行無常の響きあり


まさかの逆転、日本の技術はなぜ中国に抜かれたのか
見直しが必要な産業政策と企業風土

https://jbpres.ismedia.jp/articles/-/64643

家電はほぼ全滅、工作機械も黄信号

最初に、現在日本が国際市場において置かれている立場を主要な製造産業ごとにみていきましょう。

まず、かつては自動車産業と並んで花形だった家電産業は、完全に中国系に敗北してしまいました。
東芝をはじめ既に多くの家電メーカーは家電事業を中国企業に売却しており、パソコン事業も大半が中国系の資本に収まっています。
携帯電話に至っては、ソニーがまだ頑張ってはいるものの、国際市場における販売台数では中国系に遠く及ばず、国際競争力はまったくかなわない状況です。

一方、デジカメはキヤノン、ニコン、ソニーの日系御三家がいまだ圧倒的な国際競争力を維持してはいます。
しかし、スマートフォン搭載カメラに押され、カメラ市場自体が縮小しているのが現状です。
競争力があるとはいえ、その先行きは厳しいと言わざるを得ません。

日本の製造業を陰で支えてきた産業用ロボットをはじめとする工作機械産業については、現状はまだ日本が優位に立っているように見えます。
しかし現在、この分野は中国が国を挙げて強化に取り組んでおり、技術力もここ数年で目覚ましく高まってきています。
今のペースが続くようであれば、この分野でも遅かれ早かれ日本は中国に追い抜かれる可能性が高いでしょう。
(中略)
自動車産業は、今後の電気自動車(EV)化の進展によっては劇的な技術革新が起こり、既存技術が一気に陳腐化する恐れがあります。
特にEVのコアともいえる電池技術に関してはすでに中国がリードしています。日本の自動車産業がこのまま今の優位を保てると断言することは決してできません。