菅首相の記者会見を生中継しているが、このボソボソと原稿を読む菅氏の言葉を聞いて、未来に希望を持てる人がいるなら驚きだと思う。そして内閣記者会の記者たちは結局、何一つ現在の「秩序」を変えず、新しい内閣広報官に唯々諾々と隷従する道を選んだ模様。何も変わらない。変えるチャンスを捨てた。

菅首相側が決めた主題は新型コロナの緊急事態宣言解除だが、記者側がそれに縛られる必要はない。いま次々と新事実が発覚している総務省不正疑惑は、元総務大臣の菅首相も関係する疑いがあるのだから、直接訊くのが当然。

なのにこの件で質問したのは最後の方の2人だけ。権力監視がほとんど効かない。

元総務大臣で当時官房長官の菅義偉氏の長男の正剛氏が、東北新社に雇われて幹部待遇で総務省接待に使われた。双方が父親の政治的影響力を念頭に置いていたと考えるのが自然。だが菅氏は「いま捜査中なので何も言えない」「総務相が調査中」で終わり。

また今回もウヤムヤだろう。メディアがこれでは。

なぜ内閣記者会の政治部記者たちが、あんな無気力な態度なのか。飯をおごられたから等と言う人もいますが、私は違うと思います。彼らは、権力者がどれほど腐っても、その腐った権力者を辞めさせる動機がない。その腐った権力者と良好な秩序を維持すれば、高給が安泰ですから。