ロシアの宇宙開発、低調 ガガーリン飛行から60年 (時事通信 4/11)

旧ソ連のユーリー・ガガーリンが人類初の有人宇宙飛行に成功してから12日で60年となる。
ソ連の後継国家ロシアは高い技術力を受け継ぎ、一時はロシアの宇宙船が国際宇宙ステーション(ISS)の要員輸送を独占してきた。
しかし、近年の宇宙開発では米国の民間企業や中国の存在感が増し、ロシアは後れを取っている。

2011年の米スペースシャトル退役後、ロシアのソユーズ宇宙船はISSに人員を運ぶ唯一の手段だった。
しかし、米国で昨年、宇宙企業スペースXが開発した民間の有人宇宙船「クルードラゴン」が打ち上げられ、ISSのドッキングに成功。
NASAはソユーズを利用する際には1回当たり約8000万ドル(約88億円)を支払っていたと報じられており、ロシアは大きな収入源を失った。

ロケットの打ち上げ回数では米国と中国の後塵を拝している。 昨年末のロシア通信によると、ロシアの昨年の打ち上げ回数は17回で、
米国(44回)、中国(39回)に次ぐ3位。同通信は「新生ロシアの歴史上最低の記録」と伝えた。

ソユーズ宇宙船の後継機の開発も遅れている。 構想は09年に発表され、後継機は「フェデラーツィヤ(連邦)」という呼び名で開発が
進められていたが、19年に名称が「オリョール(ワシ)」に突如変更されるなど迷走。2
1年に無人の試験飛行を目指していたが、国営宇宙企業ロスコスモスは、23年末の試験飛行、25年の有人飛行に計画を先送りした。

ロスコスモスの他の計画にも遅れが出ており、プーチン大統領は昨年11月の会議で「遅れの理由といつ完了するかを報告せよ」と
いら立ちを隠さなかった。 一方で、プーチン氏は宇宙開発そのものよりも、軍事技術への転用に関心があるとの見方がある。

ロシアの16〜25年の宇宙開発予算は計約1兆4000億ルーブル(約1兆9800億円)が見込まれているが、ロシア経済の停滞もあり、予算削減が
たびたび報じられている。 
https://news.yahoo.co.jp/articles/a08fde9193cc130ea81c7c83b59ed2919587b724

この調子だとロシアの宇宙開発能力は2020年代末や2030年代には確実に抜かれ、民間宇宙企業の伸長著しいEUにも抜かれるかも。