>>817
あと比較的活躍した鹵獲艦と言えば元清国海軍甲鉄艦「鎮遠」改め二等戦艦「鎮遠」も資格アリかも。

日清戦争で連合艦隊を苦しめ、戦後鹵獲されて常備艦隊に編入されましたが、明治海軍初の近代的戦艦である
「富士」が1897年末に日本に到着するまでは、そのサイズと装甲と砲威力は間違いなく帝国海軍最強艦であり、
短期間とは言え常備艦隊旗艦も務めました。

その後富士に続く六六艦隊計画艦の新型戦艦や装甲巡洋艦が戦力化されると、既に旧式化していた鎮遠は
二等戦艦に格下げされ、日露戦争では旧式艦を集めた第3艦隊/第5戦隊に編入されました。

主力の第1/第2艦隊の様な派手な活躍こそ無かったものの、支援や哨戒任務を堅実にこなし、同じ元清国海軍の
鹵獲艦群が旅順港包囲作戦時に次々と蝕雷して沈む中、日露戦役を全うした運の強い艦であり、戦争後は
海防艦に格下げされた後に最終的には標的艦として沈められました。

なお秋山参謀が提案した旅順港湾部閉塞作戦では、装甲が無くすぐ砲撃で沈む老朽商船を突入させるよりも、
所詮旧式な鹵獲艦でしかない(しかし頑丈な)鎮遠を突入させれば成功の確率が高いのではないか・・・?

という意見も出されたそうですが、幾ら旧式でもなお有力な大型艦を使い潰す事には海軍も気乗りせず、
結局商船のみを突入させる作戦を3回繰り返した挙句に全て失敗に終わりました。

後知恵でしかありませんが、もし初手で鎮遠を閉塞艦として気前よく使い潰して旅順港閉鎖に成功していたら、
遥かに少ない犠牲で旅順港と艦隊をを無力化し得ていたし、戦争の帰趨も全く違ったものになっていたでしょう。