GDP戦後最悪 止まらぬ「日本売り」 周回遅れのコロナ対策が景気回復の足かせに

日米欧の1〜3月期の実質国内総生産(GDP)が出そろい、世界経済の二極化が鮮明だ。
新型コロナウイルスの封じ込めで高い成長率を維持した米国を尻目に、日欧はマイナス成長だった。

特に日本は3回目の緊急事態宣言発令で4〜6月期も2四半期連続のマイナスが懸念され、市場では株価も為替も弱含む「日本売り」が止まらない。
ワクチン接種の遅れなど、「周回遅れ」と指摘されるコロナ対策が景気回復の足かせとなる状況が続いている。

1〜3月期の実質GDP(速報値)は、米国がワクチン普及や巨額の経済対策で前期比年率6・4%増と高成長を記録。
逆に都市封鎖対策を強化した欧州連合(EU)のユーロ圏19カ国は2・5%減と2四半期連続のマイナス成長だった。

明暗を分けたのがワクチンだ。
米バイデン政権は7月4日の独立記念日までに社会正常化に道筋を付ける目標を掲げ、ワクチン接種を完了した人にはマスク着用を原則不要とした。
かたや欧州も4〜6月期には接種の加速で「経済成長が再開する」(欧州中央銀行のラガルド総裁)とみられ、今月に入り観光客の受け入れを再開する動きもある。

一方、接種が進まない日本は正常化に向けた行程が描けない。
緊急事態宣言は16日から9都道府県に拡大し、蔓(まん)延(えん)防止等重点措置を含む対象地域は人口の7割に拡大。

だが、補償なしの自粛要請や医療体制拡充が進まないことへのいらだちから国内では“コロナ疲れ”が深刻だ。
大都市圏の人出は増加傾向で、5月末に宣言を解除できるか予断を許さない。
大型商業施設も休業対象になるなど3回目の宣言は規制が強く、4〜6月期GDPは1〜3月期より落ち込む恐れがある。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ecee0089840e2dd0c6346eff0dd9182d9ba4e405