太平洋に常設の任務部隊 米軍、対中国で構想 報道
6/16(水) 20:32

米政治専門紙ポリティコ(電子版)は15日、急速に拡大する中国の軍事力に対抗するため、
米国防総省が太平洋地域に常設の海軍任務部隊を創設することを検討していると報じた。

太平洋地域での軍事活動に作戦名を付けることも視野に入れている。
いずれも構想段階だが、実現すれば米政権の対中強硬姿勢を行動で裏付ける好例となりそうだ。

関係筋によると、任務部隊の構想は、
北大西洋条約機構(NATO)が冷戦期に設置した海上即応部隊がモデルになる可能性がある。
同部隊は有事の緊急対応部隊として、当時のソ連に対する抑止の一翼を担っていた。
ただ、アジア版の海軍任務部隊に米国以外の国が艦艇や航空機を派遣するかどうかは未定という。

また、アフガニスタンでの「不朽の自由」作戦のように、
太平洋での軍事活動に正式な作戦名が付与されれば、作戦実行のための予算や装備品の獲得が容易になるとみられる。

 関係筋は「国防総省全体でインド太平洋に関するさまざまな提案を検討している」と指摘。
「(任務部隊創設などは)今後詳細を詰める必要があるが、オースティン国防長官が言った通り、今こそ仕事に取り掛かるときだ」
と述べた。

 オースティン長官は9日、
同省内で対中国戦略の見直しを行っていた専門家チーム「中国タスクフォース」の提言を受け、各部局に改善策を指示した。
提言や指示の具体的内容は機密事項として公表されなかったが、常設任務部隊の構想はタスクフォースの提言を受けたものとみられる。