抜本的な解決策を持たない日本が、このままだと韓国よりも一足早く地球上から消滅する可能性だって否定できません。

■日本の人口減少を防ぐ「2つのタブー」への挑戦

政府は「1.57ショック」に見舞われた1990年から30年以上にわたって子育て世代の支援を中心にした少子化対策を進めてきました。
しかし、成果は上がらず、すでに手遅れ状態になってしまいました。

今後は従来の少子化対策にこだわらず、タブーに挑戦する必要があります。
1つめの挑戦は、人口の地方分散です。
合計特殊出生率は東京都1.15に対して沖縄県1.82で、少子化問題はかなりの程度、都市問題です。
遷都・分都などで地方に人を誘導する方法が検討されます。
ただ、全都道府県で合計特殊出生率が2を下回っている状況で、地方分散は根本的な問題解決にはなりません。

そこで必要なもう1つの挑戦は、移民の受け入れです。
いま日本だけでなく多くの国で移民は厄介者ですが、近い将来、欧州諸国が移民を積極的に受け入れる姿勢に転じ、移民の大争奪戦が始まると予想されています。
早く方針を転換しないと、金を積んでも移民が日本に来てもらえないという事態になりかねません。

もちろん、これらは大きな痛みを伴う改革であり、国民の理解・合意が欠かせません。
そのためにまずは、少子化・人口減少を「コロナのせい」の一言で終わらせず、問題を直視することから始めるべきなのです。