シリンダー内の火炎伝播速度が音速を超えると、衝撃波で圧縮された混合気が勝手に燃えてしまいます
これを異常燃焼(デトネーション)と言ってエンジンを壊す原因となるため、燃焼速度が音速を超えずかつなるべく早くなるように設計します
ピストンスピードが音速を超えられないのはもちろんレシプロエンジンの絶対条件ですが、その手前に火炎伝播速度というもう一つの音速の壁があります
計算してみるとわかりますが、実用的に3,000回転くらいまで回そうと思うと、ボアもストロークも20センチくらいが限界です
余談その1、軍事でデトネーションというと気化爆弾等の爆轟が有名です
内燃機関のデトネーションは概念が重なるところはあるものの違う現象で、燃焼の科学が未発達の時代に二つの現象が区別できなかった名残です
余談その2、制御されたデトネーションをわざと起こして火炎伝播速度を上げる試みは昔からやられていて、現在では有望な新技術に成長しています