なぜ、根拠のないご都合主義や精神論は、戦後75年以上も受け継がれているのか。

太平洋戦争で「最も無謀な作戦」といわれたのが、ビルマ(ミャンマー)でのインパール作戦(44年3〜7月)だ。作戦立案の段階から補給が困難なことなどから軍司令部のほとんどが反対した。
だが、司令官の牟田口廉也(たむぐちれんや)中将は「必勝の信念」を主張し続け、戦局が悪化しても精神論で乗り切ろうと作戦を中止せず、兵力約10万人のうち約3万人もが命を落とした。

一方で今年6月3日、コロナ対策分科会の尾身茂会長(72)が「パンデミックのところでやるのは普通ではない」と、現状での開催に警鐘を鳴らした。
ところが翌4日、菅首相は五輪開催の目的を「安全安心な大会を実現することにより、希望と勇気を世界中にお届けできる」と書面で回答。
「希望と勇気」という、精神論で頑張ろうというのだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210630-00000017-sasahi-soci