こんな五輪構文が…
「中止の考えはない。強い警戒感を持って帰省に臨む」
「コロナに打ち勝った証として帰省する」

だが、これはいまにはじまった話ではない。前述したバッハ会長の歓迎パーティでも、国民には「会食はできるだけ家族、または4人までにしろ」
などと言っておいて、自分たちは総勢40人もの人を集めてパーティを開き、大顰蹙を買った。

政府は「東京五輪は感染拡大の原因になっていない」と言い張るが、
こうした矛盾した言動のひとつひとつが国民の行動に与えた影響は計り知れない。

しかも、東京五輪を開催するために展開された詭弁を、国民は冷ややかに見抜いてきた。
実際、大会期間中には、東京五輪の開催強行を正当化するために為政者らが吐いてきた台詞を、国民目線から「五輪」を「帰省」に置き換えた「五輪構文」が大拡散された。
それは、このようなものだ。

国民1「中止の考えはない。強い警戒感を持って帰省に臨む」
国民2「バブル方式で帰省する。感染拡大の恐れはないと認識している」
国民3「帰省を中止することは一番簡単なこと、楽なことだ。帰省に挑戦するのが国民の役割だ」
国民4「安心安全な帰省に向けて全力で取り組む」
国民5「コロナに打ち勝った証として帰省する」