島村一平『ヒップホップ・モンゴリア』発売中 @ippeishimamura
昔、モンゴル人にあまりにチンギス・ハーン自慢をされるので嫌気がさしてきた。そこで彼らの自慢の背景を調べたら、
なんと彼らがチンギスを民族の英雄にし始めたのは、社会主義期であることがわかってきた。チンギスは20世紀初頭、一部のエリートを除くと一般庶民から忘れられた存在だった。

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ところが清朝から独立し、近代国家を築く過程でモンゴルはチンギス・ハーンの事績を褒めたたえた歴史書や教科書をつくろうとしたが、横やりが入る。
ソ連の学者たちのチンギスに対する誹謗中傷である。

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社会主義期にロシア人の学者や作家がチンギスを誹謗中傷すれば、するほどモンゴルのエリートは
「ロシア人をそれだけ苦しめるくらい、チンギスとその帝国はすごかった」と理解したようだ。
つまりソ連による誹謗中傷の反作用としてチンギス・ハーンは「民族の英雄」として多くの人々の間で密かに認識され

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るようになった。詳しくは以下の論文です。よろしければ、どうぞ。

社会主義が/で生み出した英雄・チンギス・ハーン : モンゴル人民共和国におけるチンギス表象とナショナリズム形成にかかる一試論(1941~1966年) (特集 神話と神話化の歴史学(2))
https://ci.nii.ac.jp/naid/40021225874