>>452
C-130を開発したロッキード社が次にC-141を開発した際にAIAAに提出した古いペーパー、AIAA No.65-331
Effect of horizontal stabilizer vertical location on the design of large transport aircraftによると
ある程度の速度を狙って後退翼を採用し、C-130同様に戦術的な運用を要求されて高仰角で飛ぶ必要がある場合、T尾翼が最も設計的に効率が高くなるそうだ
通常位置の尾翼とT尾翼、それぞれの形態で空力的要求を満たした場合の各部品重量は下のとおりで、C-141の場合、尾翼回りで約17%T尾翼の方が軽く出来た
ttp://i.imgur.com/pkhox5R.jpg

理由としては
水平尾翼を上に載せる為に強度が必要となる分は重くなるが、水平尾翼の翼端板効果で効きが良くなる分、垂直尾翼自身と方向舵を小さく出来る事
通常形態の垂直尾翼がフラッター対策の補強が必要なのに対し、T尾翼では水平尾翼が錘となりフラッターを防ぐ為、その分の補強が不要な事
高アスペクト比の後退翼では迎角による後流の変化が大きい為に、後流の影響を受ける通常形態の水平尾翼では、安定した効きを得る為には大きな面積が必要な事
等が挙げられる
尚、高仰角での飛行が必要なければ後退翼でも旅客機の様に水平尾翼は通常形態でも問題なく、T尾翼を選択する意味は無くなる