>>778
最初の方の回答でも書いた事だがVLSの歴史は古い、WW2の頃からある(ロケッテンUボート)
質問者の「なんで誰も思いつかなかったのですか?」自体が勘違いで、VLS方式の発想はミサイルの
誕生とほぼ同時期位だし、戦後は潜水艦発射SLBM用としてまず実用化(1955年頃)、SAMでは無いし垂直発射
でも無いが固定ランチャーから目標方向へ急旋回させる方式はスウィングファイア(英)があり1960年代兵器だ
VLSの真打ち、Mk.41も開発は1960年代半ばからだからターターやテリア搭載艦が続々就役する頃とほぼ同時期
から開発が始まっている、発想自体はそう新しくもないのだ。

質問者が着目するなら、なぜ誰も発想しなかった?・・・では無く、発想も実用化もされていたのにSAMの分野では
ランチャー方式がなぜ先行したか?だろう、それはVLS方式のデメリットに着目すれば分かる筈だ

@射程への悪影響の問題(垂直発射後、目標方向へ指向する為にエネルギーをロスする)
A方向転換の為のタイムラグの問題(同理由)
Bミサイル本体に発射直後の方向転換に余計な機構がいる
Cミサイルの誘導制御が複雑になる
C同じ搭載弾数のランチャー方式よりも総重量が嵩み艦内容積も圧迫する(1発づつ発射圧力に耐える頑丈な
 筐体に納める必要がある)

初期のSAMの短射程(18〜30km程度)では、見通し線目標への発射であるのでVLSでは@ABのデメリットが際立つ
ランチャーで目標方向へ指向させて発射する方が効率的であり、特に最初期のSAMではビーム・ライディング誘導が
考えられたのでCの観点からも自艦の誘導ビームの方向へ放り出してやる方が合理的だ、わざわざ垂直へ打ち上げて
から曲げてビームに乗せるなど非合理だ。
多目標同時対処以前として、1目標1誘導の頃としてはVLSはランチャー方式に比して採用のメリットが無いのだ。
VLSのメリットがランチャー方式を上回るのは、SAMの運用環境が@〜Cのデメリットを上回り、Cについても
ミサイル・フリゲート艦が大型化して占有容積や重量面の不利が許容出来る様になってからだろう。