良いクルマなのになぜ売れない? 商品力は高いけど販売が苦戦するクルマの裏事情
https://news.yahoo.co.jp/articles/daabaf9b4211fe85751efde18669c49ed04145a3
●トヨタ「ヴェルファイア」(751台/月)
 トヨタのラージサイズミニバン「アルファード」は、2021年に1か月平均で9392台を登録するなど、
好調な販売を記録する一方、その姉妹車となる「ヴェルファイア」は751台です。
 基本的に同じクルマなのに、ヴェルファイアの売れ行きはアルファードの8%と大差がつきました。
 2015年に現行モデルが発売された時点では、アルファードよりもヴェルファイアが好調に売れてい
ました。
 ヴェルファイアは外観の存在感が強く、販売店もネッツ店ですから、アルファードのトヨペット店
よりも拠点数が多かったのです。
 従って当初はヴェルファイアが優勢でしたが、2017年末のマイナーチェンジで流れが変わります。
 アルファードのフロントマスクがカッコ良くなり、2018年3月頃からは、ヴェルファイアよりも多く
売られるようになったのです。
 さらに2020年5月には、トヨタの全店が全車を扱う体制に変わり、それまでアルファードやヴェルフ
ァイアを扱っていなかったトヨタ店とカローラ店でも、アルファードが好調に売れ始めました。
 そして遂に、長年にわたりヴェルファイアを売り続けたネッツ店でも、アルファードの登録台数が上
まわったのです。
 2021年には、ヴェルファイアは特別仕様車のみに整理され、販売格差が一層拡大。フロントマスクの
違いで売れ行きに10倍もの開きが生じるのですから、クルマにとってデザインはとても大切です。
 そして全店が全車を売る体制への移行は、もともと車種のリストラが目的でした。
 ヴェルファイアの販売低迷と車種数の削減は、トヨタにとって想定の範囲内だったでしょう。