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中国、TPP加入交渉へ参加国への働きかけ積極化 NZなど支持

【北京=三塚聖平】環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への加入申請を9月16日に行った中国が、加入交渉に向け参加国へ働き掛けを強めている。9月末には王毅(おう・き)国務委員兼外相がメキシコとの電話会談で加入へ積極姿勢を示し、中国商務省はニュージーランドなどから協力姿勢を引き出した。台湾の加入申請を受け、自国に有利な環境整備を急いでいるとみられる。

王氏は9月29日、メキシコのエブラルド外相と電話会談し、加入申請について「対外開放をさらに拡大する固い決意を示したものだ」と強調。エブラルド氏は「申請を称賛、歓迎する」と応じた。王氏は同日、マレーシア、ブルネイの外相ともそれぞれ電話会談。中国外務省の発表文にTPPの文字はないが、いずれもTPP参加国であり協力を求めた可能性がある。

習近平国家主席も24日、ベトナムのグエン・フー・チョン共産党書記長と電話会談を実施。発表文はTPPに触れていないが、習氏は「双方は国際・地域問題での協調、協力を強化すべきだ」と強調した。ベトナム外務省報道官は23日、中国の加入申請について「経験と情報を共有することを望む」と述べている。両国とも国有企業の存在感が大きいなど共通点が多く、中国の加入にはベトナムの事例が役立つと指摘される。

中国商務省幹部も28日にニュージーランド、29日にブルネイとテレビ会議を実施。ニュージーランド側から「中国の申請は非常に重要な意義を持つ一歩で、今後のプロセスを積極的に推進する」との言質を得た。

TPP加入には、全参加国の同意を得ることが必須だ。日本やオーストラリアなどが中国の加入に慎重姿勢を見せる中、それ以外の国々から協力を取り付けて外堀を埋める思惑も指摘される。22日に台湾がTPP加入申請に踏み切ったことで、台湾の加入阻止へ先に支持を得ることも重要な課題になったとみられる。

中国商務省報道官は30日の記者会見で「次の段階として、TPPの手続きに従い参加各国と協議する」との方針を示しており、TPP参加国とのやり取りをさらに加速させる見通しだ。

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