当のアメリカ人の一人は中国がアメリカをしのぐことを前提に考えているから
日本のことも疑ってはいる


「中国はアメリカが覚醒させた竜だ」ニクソン訪中を知る元外交官、バイデン氏への助言
https://globe.asahi.com/article/14455261

――中国の脅威は、軍事面よりも、経済、技術の分野の方が大きいと指摘していますね。

中国は現在、世界で流通する製品の30%以上を生産しています。米国は16%です。
我々が中国と長期的な紛争に入り、消耗戦になったら、優位に立つのは中国でしょう。

中国は製造だけでなく、科学や技術の面でも卓越しています。
世界のSTEM(科学、技術、工学、数学)人材の4分の1以上はおそらく中国人です。
新卒のSTEM人材は年間200万人を超すとみられ、一部は世界でも最優秀の能力を持っています。

米国のAI(人工知能)研究機関の人材の3割は中国人です。
一方、米国の新卒STEM人材は年間約72万人で、3分の1は外国人です。

――バイデン政権の政策をチェスに例え「戦略が欠けている」と批判していますね。

中国と向き合うときは、囲碁を打っていると考えるべきです。
囲碁は、長期的な利益のために、ときに短期的な利益を犠牲にするゲームではないでしょうか。

小さな犠牲を払いながら、敵に囲まれるのを防ぐのです。
ところが、米国にはそんな戦略がありません。
まるで、10ヤードずつ前進することを目指すアメリカンフットボールをやっているかのようです。

ソ連が崩壊した1991年以降、世界は大変化を遂げました。
しかし、米国はその変化に対応できていません。
米国は同盟国との関係の再構築を試みていますが、数少ない例外を除いて、うまくいっていない。
台湾で起きうる米中の武力衝突で、米国が想定できるのは日本からの支援ですが、それすら不明確です。