ちょっと長文だけど、日鉄がトヨタを訴える前日譚。

原価低減の名のもと利益を搾取し続けるトヨタに、日鉄が反旗…他の取引業者に波及か
https://biz-journal.jp/2021/10/post_258345.html
(抜粋)
 日鉄にとってトヨタは、鋼材の最大の納入先であり、両社は長年にわたって密接な関係を続けてきた。それが一転、材料メーカーが最大の納入先を提訴するという異例の対応に踏み切ったのは、「盟友」だったはずの両社の関係が変化してきたことにある。

 国内の自動車メーカーと鉄鋼メーカーは鋼材納入価格を半期ごとに交渉することが慣例となっている。それぞれの業界で国内最大手である両社の価格交渉は「チャンピオン交渉」と呼ばれ、その交渉結果は他社が国内で鋼材価格を決める上での指標にもなっていた。
(中略)
韓国や中国の安い鋼材価格を引き合いにするトヨタの値下げ要求を日鉄は受け入れざるを得ない状況が続き、鋼材価格の交渉ではトヨタが完全に主導権を握っている。トヨタにとって日鉄は「パートナー」ではなく「下請け」という位置付けに成り下がった。

 かつて日本を代表していた名門企業の凋落に、忸怩たる思いを抱いていた日鉄の橋本英二社長は、鉄鉱石などの原材料価格の急騰で韓国などの海外鉄鋼メーカーが鋼材価格を大幅に引き上げたのを機に逆襲に打って出る。日鉄は今春、トヨタとの鋼材納入価格の交渉で大幅な引き上げを要求。トヨタはこれに難色を示し、原材料価格の上昇分だけの価格改定を求めたが、日鉄側は「(韓国系などの)他社から購入してもらって結構」と言い切り、鋼材の供給量制限も匂わせた。

海外製鋼材の価格が急騰していることもあって、日鉄から鋼材供給が制限されると自動車生産に支障が及ぶ。こうしてトヨタは日鉄の「過去最大の値上げ」を受け入れざるを得なかった。トヨタでは、調達部門を中心に日鉄を怨嗟する声は強まり、海外製鋼材の調達量を増やすための取り組みを始めているという。

今回の電磁鋼板をめぐる争いは、トヨタ対日鉄の第2ラウンドとなるものだ。

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