山本長官は後に、やはり真珠湾は第二撃を、行い徹底的に叩いておくべきだったと反省している。

 連合艦隊司令部は第二撃下令を強行しなかった代わりに、真珠湾攻撃を終えて引き上げ中の機動部隊に、帰路、ミッドウェイ攻撃を行うよう指令した。

 12月10日朝、この命令を受け取った赤城では、南雲長官よりも、草鹿参謀長がふんがいした。

 「決死の大作戦を終わって、やっと帰途についたのに、こんな小さな島をついでにやって来いとは何たる言い草だ。機動部隊を小僧の使い走り使いのように考えてもらっては困る」と言った。

 南雲長官も苦笑して「奇襲のけたぐりで、やっと横綱を倒したんだ。そしたら、帰りに、大根やねぎを買ってこいと言うのかね」と言った。

 機動部隊は結局、天候不良を理由として、ミッドウェイ攻撃をやらなかった。