斉射弾の散布は、数知れない偶発エラーの集積による
何度も書いたとおり、砲塔砲身の設置や操作の誤差、砲弾装薬の品質ばらつき、砲外の大気状況や風向風速などなど
しかも、これらは相互に関連性がなく独立した確率変数なので、この確率分布は正規分布になるというのは常識の話

これはエクセルで簡単にシミュレーションできる
確率変数が10個あるとして、左右変動幅を1〜10、遠近変動幅を1〜30とし、その範囲で乱数を発生させる
それぞれの和は左右では10〜100、遠近では10〜300の値をとるので、値ごとの発生頻度を棒グラフにすると、当たり前だが正規分布になる

左右と遠近の値をxy座標としてプロットし散布図を作れば、これが斉射のシミュレーションになる

n=100では不完全ながら正規分布になっていることが分かり、n=10,000にすれば何回試行してもはっきりと正規分布
散布は中心密度が高く周辺にかけて漸減していく

これが戦艦斉射サイズのn=10にすると、母集団が少なすぎるため釣鐘型にならないケースが激増するが、これとても100や10,000の表のサイズを減らしただけであり、10変数の総和の出現頻度であることには変わらない

n=10の散布では、遠近両端に分布が分かれたり、散布域のなかに集束点があるように見えたり、極端に離れた不規弾も現れる
これは皆、正規分布する値のごく一部を取り出した結果
無数に撃てば、n=10,000の散布に近づいていく
米軍マニュアルに書いてあるとおり

エクセルで10分もあれば可能なので、できる人はやってみれば
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