>今回の研究では、初めて沖縄から古代DNAゲノムが得られた。サンプルはマックス・プランク人類史科学研究所のマーク・ハドソンが発掘した宮古島の南嶺の長墓遺跡(パインミヌナガバカ、以下、長墓遺跡)から出土された人骨である。長墓遺跡は近世および先史時代の2つの時期がある。
>近世の人骨は現代沖縄人とほぼ同じ約20%の縄文DNAを持つ。言語学や考古学の結果と合わせると、中世(グスク時代)に九州からたくさんのいわゆる「本土日本人」が農耕と琉球語を持ちながら、琉球列島へ移住したと推定できる。この結果は、沖縄人が縄文人の系統を引くと結論する埴原和郎の「二重構造仮説」と矛盾する。
>一方、長墓遺跡の先史人は100%縄文という結果が解明された。これは従来の先島先史時代の人々が台湾またはフィリピンなどから由来した「南方説」と矛盾する。宮古島の先史時代は縄文系の土器などの物質文化は確認されていないが、ゲノムレベルでは縄文の人々であった。
>八重山の先史人も縄文系かどうか、あるいは台湾からについては今後の分析が必要が、今回の研究では縄文文化と縄文ゲノムが必ずしも一致しないことが一つの大きいな結果である。


なんか稲作の伝播ルートと言語の伝播ルートの違いはここら辺にありそうな気はする