鉄くずが 黄金に!?
NHK 2021年12月7日 18時28分

ある商社の社員は、こうつぶやきました。
「“鉄くず”が“黄金”のような存在になってしまったんです」

ものづくりの現場に欠かせないスクラップなどの鉄くず。
しかし、まさかの価格高騰で、手に入りにくくなっているというのです。
要因は、私たちの暮らしと切り離せなくなった“あの問題”でした。
(中略)
武村社長
「去年は1キロ30円台で買っていたものが、今は70円台に上がりました。
うちの会社は創業110年になりますが、これほど急激な値上がりは経験したことがありません」
(中略)
鉄の製造は「高炉」で鉄鉱石と石炭由来のコークスを混ぜて溶かす方法で生産されるのが一般的でしたが、
この方法だと大量の二酸化炭素が出ます。

そこで注目されているのが「電炉」。
“鉄くず”を電気の熱で溶かして再利用する製造方法で、これなら鉄の製造時に出る二酸化炭素を最大で
7割程度、減らせるといいます。

脱炭素の動きが加速する中、鉄くずは、いわば“グリーン素材”として一躍、脚光を浴びる存在になっていたのです。(後略)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211207/k10013378121000.html

同量の鉄を抽出するにしても、鉄鉱石と屑鉄とでは後者の方が二酸化炭素の排出を大幅に減らせるという強みがあるので、
即効性のある温暖化ガス削減方法として屑鉄の需要が(特に中国で)高まっている為だとか。