アメリカに勝つとすれば、どうしなければならないか
というのが発想の出発点だから、最初からボタンの掛け違いがあった

@首都ワシントンを攻略して降伏させることは不可能
Aならば、米艦隊を壊滅させて戦意喪失させ、講和で勝つしかない
日清日露で敵国首都を攻略しなくても、この方法で敵に頭を下げさせた成功体験我にあり
B日米戦争になれば、アメリカは大艦隊で太平洋を押し渡ってくるから、これに決戦を強要して壊滅させれば良い、ていうかチャンスはこれしかない
Cそのためには、米艦隊の出撃を監視、追躡触接が不可欠で、機を見て反復攻撃すれば良い
世界に例のない航空機搭載潜水艦と第六艦隊を整備
我に南洋諸島の地の利あり、ここから発進させる世界に例のない陸上攻撃機を整備
これらで決戦海面到達前に米艦隊を漸減する
E決戦の暁には、まず空母による敵空母殲滅
決戦海面の制空権を獲得し、戦艦のアウトレンジ砲撃に必須な飛行機弾着観測を可能にする
F引き続き、重巡と重雷装艦を主とした前進部隊が敵輪形陣内の主力集団に酸素魚雷280本を発射、1割の28本が命中し敵陣が大混乱する頃の20分後、主力部隊の砲撃を開始
これに呼応して水雷戦隊が突撃、敵戦艦を葬る
当然、このために開発した甲標的36基は、母艦3隻から敵前発進して敵艦隊を襲撃する

昭和16年の開戦直前までこんな構想で突き進んできたが、最初の上記Aがアメリカについては大間違い
一撃を食らったところで対日講和などせず、無条件降伏させるまで戦うことを宣言しちゃったので、当然Bなど起こらずC以降も発生せず、ロンドン条約以降の決戦特化の建艦計画は壮大な無駄に終わった

ミッドウェー以降に戦策を改め、戦艦を空母の前衛に出したり第一艦隊を廃止するなどの方針転換は間違いではなかったが、いかんせん10年遅かった
というか、@の帰結として、アメリカとは戦争しないという選択をすべきだった