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明治十四年政変は近代日本において憲法の制定と国会開設の契機となったため、
発端となった開拓使官有物払下げ事件が主となる形で学校の歴史の授業でも必ず習う重要な出来事であるが、
語られるのは常に「払下げ事件が原因となって伊藤が大隈を攻撃し政府から辞めさせた」という概略のみであり詳細が語られる事はほとんど無い。
詳細を語るためにはどうしても大隈の行動に触れねばならず、その大隈の行動が片方に理由を付ければ片方がおかしくなるという理論的に説明の付かない事が多すぎるのがその理由なのだが、
当事者である大隈本人がこの件に関しては詳細を何も語らず書き残さず世を去ったため、確たる回答の無いままこの事件は今尚多くの謎に包まれている。