アングル:ボーイング、次期新型機開発の舞台は「メタバース」
https://jp.reuters.com/article/boeing-technology-idJPKBN2J1089
エアバスと同様、ボーイングが次の新型機で目指すのは、バーチャルの世界で
新型機の3D「デジタル・ツイン(双子)」と呼べるレプリカを構築してリンクさせ、
シミュレーションを走らせることだ。
デジタル上での実物大モデルを支えるのは「デジタルスレッド」だ。
製造のごく初期段階から、当該の機体に関するあらゆる情報を結び合わせる。
例えば航空会社からの要求事項や、数百万点におよぶ部品、数千ページもの認証関連書類、
さらにはサプライチェーンの奥深くに至るまでの細かい情報が記録される。
時代遅れとなった紙ベースの慣行を刷新すれば、力強い変革がもたらされる可能性はある。
だが、こうした計画は膨大な課題を抱えている。
懐疑的な人々は、ボーイングがデジタルツールを用いて開発したミニジャンボ機777Xと
軍用ジェット練習機T−7Aレッドホークの技術的問題を指摘する。
「取り組む価値があるだろうか。もちろんイエスだ。だが、それがボーイングの問題をすべて
解決するかというと、答えはノーだ」
ボーイング自身も、デジタル技術だけでは特効薬にならないことを理解しつつある。
ボーイングは先日、「デジタル・トランスフォーメーション」の仕切り役として経験豊富な
エンジニアであるリンダ・ハップグッド氏を抜擢した。ある業界関係者によれば、
100人以上のエンジニアが名を連ねるプロジェクトだという。
ハップグッド氏の実績として有名なのは、白黒・紙ベースだった767タンカーの配線図を
3Dに変換し、メカニックたちにタブレットとARヘッドセット「ホロレンズ」を配布した件だ。
ある関係者によれば、この改革によって品質は90%改善したという。
また同氏は、無人空中給油機MQ−25やT−7Aレッドホークから得られた教訓も肝に銘じている。
ボーイングでは、T−7Aの開発にあたって、模型ベースでの設計に続いて1号機を
シミュレーター上で「製造」した。T−7Aはわずか36カ月の開発期間を経て市場に投入された。
それでも、T−7Aの製造計画は部品不足や設計の遅延、追加試験の要請などに悩まされている。

うへー。紙ベースで設計してたのか