北海道東部の赤潮、再発の恐れ ロシア由来とDNA一致 研究チーム発表
4/1(金) 6:06配信
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北海道新聞
厳寒期に適応、生き残り増殖も

昨年10月25日、十勝管内広尾町近くの沿岸に広がった赤潮。陸側がプランクトンで乳白色に濁っている(本社ヘリから、中川明紀撮影)

 道東の太平洋沿岸で昨秋発生した赤潮の原因プランクトン「カレニア・セリフォルミス」のDNAが、2020年秋にロシア極東カムチャツカ半島南部で発生した赤潮のセリフォルミスと一致したことが分かった。道東赤潮のセリフォルミスがロシア由来で、厳冬期でも生き残ることがほぼ確実となり、今後再び発生する恐れが強まっている。

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 一般的な赤潮プランクトンは低温下で死滅するため、セリフォルミスが北海道の冬を越せるかどうかが焦点の一つだった。

 東大大学院と道立総合研究機構などの研究チームが米国の専門誌「Harmful Algae」(電子版)で発表した。チームは昨年9、10月に釧路、十勝両管内4カ所の海水を分析。セリフォルミスの個体群を識別するDNAがカムチャツカ赤潮と一致することを確認した。

 この結果、道東赤潮は20年9、10月にカムチャツカで赤潮を発生させたセリフォルミスが寒流に乗って道東にたどりつき、増殖した可能性が高くなった。道などのモニタリング調査では今年1月11日以降検出されていないが、わずかに生き残った個体が水温上昇などで再増殖する恐れがある。