その昔、海洋小説の大家、セシル・スコット・フォレスターは、次回作の参考にするため、
ある元RAFパイロットに取材、当時の経験を聞くことにした。
その元パイロットは、取材への回答をメモにまとめ、フォレスターに渡した。
メモを一読したフォレスターは、その内容の素晴らしさに感動、次回作の参考にするのをやめ、
メモをそのまま出版するよう、出版社に働きかけた。
小説家ロアルド・ダールが誕生した瞬間である。

フォレスターが、才能のある後輩を潰すようなタイプの作家ではなかったことに感謝しましょう。