「GWには帰るね」叶わなかった願い F15戦闘機事故、田中1等空佐の“両親”悲痛
西日本新聞 2/15(火) 10:36配信

航空自衛隊のF15戦闘機が石川県の小松基地を離陸した直後に墜落した事故で、遺体で見つかった田中公司1等空佐(52)は福岡県筑前町出身。
実の両親を亡くした田中さんが「両親」と慕う同町在住の桑野忠刀(ただと)さん(77)、広子さん(71)夫妻は「帰ってくると約束したのに」と声を震わせた。

田中さんの実家と桑野夫妻の家は隣同士で、家族ぐるみの付き合い。田中さんは母親を早くに亡くし、10年ほど前に父親も他界した。
桑野さんは「寂しかろう。俺たちは家族だから、うちに帰ってこんね」と、帰省のたびに家に招いて食卓を囲んだ。

田中さんは空自入隊後、2012年からアクロバティック飛行チーム「ブルーインパルス」隊長を2年間務め、昨年6月からは小松基地に拠点がある
飛行教導群の司令だった。 夫妻を勤務先の基地に招いては「うちの両親です」と紹介し、母の日には毎年、広子さんに花束を贈った。

夫妻も島根、鹿児島、石川県と、ブルーインパルスの曲技飛行のたびに応援に駆け付け、最後の飛行では田中さんを抱きしめて慰労した。
「自衛隊辞めたら何しようか」と漏らすと、自動車整備会社を経営する忠刀さんは「俺の会社で働けよ」と提案。田中さんも「そりゃいいね」と喜んだ。

事故前日の1月30日、田中さんが広子さんにかけた電話が最後の会話となった。
「ゴールデンウイークには帰ってくるね」。その言葉を信じ、救助の知らせを待ち続けたが、願いはかなわなかった。
広子さんは涙を浮かべながら言葉を絞り出した。「北陸の海は寒かっただろうに。今までよく頑張ったね」
https://news.yahoo.co.jp/articles/82d07a8cec4c7570fdbd341ba5f28920873988ea

正に空自きっての空の漢であった田中1等空佐。

もし事故に遭わず無事現役パイロットから引退していたら、空将補ぐらいまでは確実に行けたでしょうな。