まず戦争と平和と2つに極端に分けて考えてしまいがちだが大戦争というのはいきなりは起こらない
最初は小さな紛争が起きて、それに勝つと為政者も国民も勝った勝ったとなって国内で抑止が効か
なくなり、次はより大きな戦争を慎重さを欠いて冒険的にしてしまう。そうして大戦争になる。

今回のウクライナへのロシア侵攻も、十数年前のクリミア半島併合というロシアにとっての成功体験
があり、それがプーチンを動かし、強硬派を勢いづかせ、ウクライナ内の分離独立派の動きも有り、
結局、軍事侵攻の決断となった。
第二次大戦も、小さな侵略を重ねて戦線が次第に大きくなっていった経緯もあり、戦後は、いかに
大戦となる前の紛争の段階で収集させるかが重要視されるようになった。

つまり、紛争の段階で、直接の当事者ではない周辺国・同盟国・国際社会が、ときには(平和維持の
名目などで)兵隊を送ってでも介入し早期停戦に持ち込んだ方が良いのでないかという、いわゆる
集団的自衛権の発想となった。

平和のために直接関係のない紛争にも兵を送り介入するというのは、現実にはなかなか難しい
政治判断を必要とする。しかし消極的すぎる反応は、往々にして、今はよくても、次の世代に問題を
より大きく複雑にして手渡すことになる
東アジアにおいては、中国がまんまと台湾を武力併合してしまうと、それが成功体験となって日本を
含むより大きな戦争の火種になりかねない。まずいことに中国軍はかなり大きな戦争もできる軍事
能力も有している。

後は現在の日本の自由や権利・経済レベルなどの価値を動見るかだ。
おそらく中国にしてロシアにして侵略されれば、それらは低下する。
そんなものはどうでもいい、敵が攻めてきたら即降伏するという人もいるだろう。
戦って死んでも次の世代に残したいと思う人もいるだろう。
おそらく軍事力の比較検討の会議では無いのだろうから、ぶっちゃけ最後はその判断に至る。