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(続き)
ロシア=サンの身に一体何が起きたのであろうか。注意力に優れた読者はミサイル攻撃で半壊した高層マンションの上に佇みロシア=サンを見下ろす二つの人影にお気付きになられたかもしれない。また、缶詰のラベルに小さく記された「made in UK」の文字にも。
「ア、アババーッ!メシマズ!」
猛毒の如き味覚がロシア=サンに襲いかかる!

高層マンションに佇む人影は、それを見届けるとフワリと舞い降りてきてオクユカシクも優雅にアイサツを送ってきた。
「ドーモ、ロシア=サン、マスター・ブリテンです。私は料理を作ることができます。あまりオイシイ料理は作れませんが」
なんとロシア=サンが手に入れたのは、一口であの凶暴なゾウをも倒すという伝説の非人道兵器ブリメシであった!おおブッダデーモン!

普段の冷静なロシア=サンであればブリメシを口に運ぶような事などなかったであろう。だが空腹に苛まれてニンジャ判断力が低下し周囲の索敵にも神経を尖らせていたロシア=サンは、つい「made in UK」の小さな文字を見落としてしまったのだ。なんたるウカツ!

そしてブリテン=サンとともに舞い降りたもう一つの人影も、雅かつ優雅にアイサツを送ってくる。
「ドーモ、ロシア=サン、マスター・日本です。私も料理を作ることができます。オイシイ料理しか作れませんが」
「ドーモ、マスター・ブリテン=サン、マスター・日本=サン。ロシアで……
アイサツはいかなる時でも大事であり、いかなる体調でもアイサツを返さないとタイヘン・シツレイ。遠のきかける意識を集中しアイサツを返そうとするロシア=サン。だがそこまで言いかけると、ロシア=サンの意識は闇に飲み込まれた……。
(続く)