防衛研究所のフランスはどう日露戦争を見たかの論文を見ると
http://www.nids.go.jp/event/forum/pdf/2004/forum_j2004_10.pdf

「まず、目を引くのは、戦前には関心が低かった機関銃が、独立のテーマとして第2篇で扱われていることであろう。
 本文でも、冒頭で、物心両面における機関銃の絶大的な効果は各国観戦武官が異口同音に認めている旨を述べて、
 その大規模な導入を勧告している。従来、機関銃は防御用兵器と考えられていたが、日露戦争では攻撃に際しても
 大きな役割を果たしたことについても述べている。また、砲と異なり、接近戦において使用できるという利点も指摘し、
 歩兵が携行できるようなタイプの機関銃が必要であると提唱している。」

「電信と電話についての関心も極めて高く、第5篇で独立して扱われている。(中略)
 両者の見解における矛盾は、日露両軍が電信と電話、とりわけ後者の使用に通じていたかどうかに起因していた。
 つまり、電話の使用により長けていた日本軍に随行していたロンバールは、前線と司令部とが離れていても、
 その距離に不都合を感じなかったのである。」

「しかし、同時に、この教訓集には砲力だけでは戦闘に決着をつけることができないこともあわせて述べられている。
 勝敗を最終的に決するのは依然として歩兵による銃剣突撃と白兵戦であり、
 砲兵の主たる任務は歩兵の支援であることを日露戦争の教訓に基づいて確認している。」

10年後の第1次大戦にこれらの教訓は生かされなかった