https://www.nikkansports.com/general/news/202203060000612.html
「キエフ」から「キーウ」へ ウクライナ首都の表記、ロシア語由来から現地語へ欧米で変更の動き
[2022年3月6日17時17分]

欧米メディアの間で、ウクライナの首都の表記や読み方を
「KIEV(キエフ)」から「KYIV(キーウ)」に変更する動きが広がっている。
ロシア語に由来するキエフに対し、キーウはウクライナ語に基づく表記で、
軍事侵攻するロシアへの抗議の意味合いが込められている。

英紙ガーディアンなどによると、ソ連崩壊に伴う1991年のウクライナ独立後、
95年にキーウの使用が法的に認められたが、キエフの方が知名度で勝っていた。

親ロシア政権を倒した2014年の政変を経て、ウクライナ政府は「ソ連」のイメージ払拭(ふっしょく)のため、
キーウの使用を呼び掛ける運動を数年前から展開。
英BBC放送や米CNNテレビなど、一部の欧米メディアがキーウに切り替え始めた。

この流れに拍車をかけたのが今回の軍事侵攻だ。
デンマークのユランズ・ポステン紙は2月下旬、暴力や武力を使うロシアを批判し「キエフ」からの脱却を宣言。
「キーウを使うことはウクライナの独立を認める上で小さな貢献にすぎないが、一つ一つの文字が重要な意味を持つ」と訴えた。

米公共ラジオ(NPR)も「脅し続ける隣国の言葉を使うのは冒涜(ぼうとく)に当たる」、
英大手ニュースサイトのインディペンデントも「軍事侵攻を受けてキエフの使用を避ける動きが勢いを増している」と追随。
仏紙リベラシオンも今月1日、表記の定着した都市名を変えるのは困難なことだが、政治的理由を優先したと説明した。

在日ウクライナ大使館のツイッターでは、キエフとのカタカナ表記が多い。

(共同)