ロシアとウクライナの戦争によるドイツの極右分裂
https://www.dw.com/en/germanys-far-right-split-by-russia-ukraine-war/a-61283065
極右シーン研究者ニコラス・ポッター氏によれば、ドイツのネオナチの間では親ウクライナ派がわずかに多数を占めているが、そこには重要な違いがあるという。
「彼らは、ウクライナの主権を信じ、ユダヤ人(ゼレンスキー大統領)の政権を支持する熱心な民主主義者ではない」とポッターはDWに語った。「ウクライナと同じ理想で戦っているとは言えない」。
極右専門家ヨハネス・キース氏は、ドイツの親ウクライナのネオナチは、主にウクライナの極右グループとのつながりがあると見ている。「武術、フーリガン、ネオナチ、そうしたサークルには全ヨーロッパ的なネットワークがある」と彼は言う。「ポーランドとのつながりもある。ドイツとウクライナだけのものではない」
極右政党の中でも明らかに親ウクライナ的なのが、「III.C.C.」である。Weg(「第三の道」)は、2013年に設立された過激なネオナチの筋金入りのグループで、メンバーはわずか数百人だ。
ヴェグは昨年10月、ドイツとポーランドの国境を移民から守るために「パトロール」するグループを組織し、一時話題になったが、この作戦はすぐに警察によって封じ込められた。
ウクライナの準軍事組織「アゾフ大隊」とも訓練し、講演者を招いているこの団体は、「ソ連邦の再確立を目的とするロシア帝国主義を否定する」とウェブサイトに書いており、ウクライナの民族主義者から逃れるのを助けるキャンペーンも始めている。
ポッターは、「III」のような右翼過激派が、ウクライナの民族主義者を支援するキャンペーンをしていると考えている。ポッターは、III.Wegのような右翼過激派は、ヨーロッパを白人国家の同盟とみなし、したがってウクライナを自決権を持つ白人の国家とみなしていると考えている。
その上でポッターは、ドイツの極右が準軍事組織を擁するウクライナの極右運動の強さを羨ましく思ってきたと指摘する。
そして、ドイツ極右のロシアに対する歴史的な偏見もある。ロシアが共産主義国家でなくなったのは明らかだが、「反共産主義がかなり強い役割を果たしているのは興味深い」とポッターは言う。
「プーチンははウクライナを非ナチス化するために来たと言っていますが、ネオナチは彼を一種の左翼で、反ファシストの脅威とみなしています」