http://www.shenmacro.com/archives/28837439.html
ロシアは長年の天然ガスなどの輸出で巨額の外貨準備を積み上げており、その規模は中国、日本、
スイスに続きグローバル4位の座をインドと争っている。今回の経済制裁では全外貨準備630 bn(米ドル。以下同様)の
6割にあたる388 bnが凍結されたと推測されている(クレディ・スイスは300 bnと推定)。
2014年のクリミア紛争で米国から経済制裁を受けて以来ロシアは一貫して米ドル資産を減らし、
ゴールドや人民元といった西側の制裁に耐えられそうな資産にシフトしてきた。この動きはCBRによって公開されており、
2021年までにかなり脱米ドルが進んでいたことが分かっている。ゴールド(2,300トン、130 bn相当)は
他国のようにロンドンやNYに預託するのではなく、全額ロシア連邦国内に保有している。これは制裁回避には
好手であったが、同時に多額の取り崩しや売買が難しいことをも意味する。
ロシアは8年間かけて米国の制裁に対する備えを万全にしていたが、
恐らく欧州からも同時に制裁されるとは思っていなかったため想定以上に外貨を引き出せなくなった。
自国通貨(ルーブルRUB)相場に介入もできずルーブルは急落した