>>875の続き

土屋)アノニマスもハッカー集団のように言われていますが、彼らなりの正義に基づいて参戦していますし、ロシア側についているハッカーグループもいます。
何が何だかよくわからない状況になっていて、「これからどうなるのか」という先行きが見えにくくなっていると思います。

土屋)2014年のクリミア危機の際、ロシアが情報空間を上手く制圧したので、逆にウクライナ側は8年間かけて準備して来たということだと思います。
特に、今回の戦争はスマートフォンが普及してから初めての戦争だと言ってもいいと思います。
iPhoneが出て来たのは2007年で、2003年のイラク戦争のときにはありませんでした。 カメラ付き携帯ぐらいはありましたが、通信はなかなかできませんでした。

飯田)スマートフォンはまだありませんでした。

土屋)2014年のときにはありましたが、携帯電話のネットワーク網が「ドン」と落とされてしまいました。
今回、ウクライナは徹底的にそれを守っていて、ウクライナ市民たちがいろいろなところで写真や動画を撮り、積極的に発信しています。

飯田)市民たちが。

土屋)その結果、様相が大きく変わって来たと思いますし、我々も「ハイブリッド戦」と言って、軍事的な活動とサイバー空間の活動が連動すると思っていたのですが、
まったく上手く行っていないという感じです。(後略)
----------------------------------------------
一昨年のナゴルノ・カラバノフ紛争でも両軍の兵士が持つスマホで撮影された動画が即座にネット空間に放たれましたが、今回のウクライナ戦争と比べれば
遥かに小規模でした。

それに今回の戦争でネットや国際報道に流れる戦場動画の大半はウクライナ側のコンテンツであり、ロシア軍のそれは圧倒的に少ないですが、これは
国際世論が圧倒的にウクライナ寄りなのに加え、侵攻したロシア軍が個々の兵士の持つスマホを情報漏洩阻止の為に没収したのが効いているのかも。