自衛隊「宇宙作戦群」編成 対露脅威への備え急ぐ
2022/3/18
https://www.sankei.com/article/20220318-EVY2AASGHFNXNK7GOK3FEXEDJE/
防衛省は18日、宇宙領域での活動強化のため、航空自衛隊府中基地(東京都府中市)に
新たに「宇宙作戦群」を編成し、隊旗授与式を行った。ウクライナ侵攻により、
宇宙領域の軍事利用で先行するロシアの脅威は一層増すとみられ、
自国の人工衛星を守る体制の整備を急ぐ。
空自では宇宙作戦隊が現在、人工衛星に接近するスペースデブリ(宇宙ごみ)などの物体を
把握する宇宙状況把握(SSA)の運用準備を担う。新編で人員を20人から70人に増員し、
陸海空各自衛隊との情報共有を図る宇宙作戦指揮所運用隊(30人)などを新設。
宇宙作戦隊を含めた全体の名称を「宇宙作戦群」とした。
防衛省は来年度には宇宙作戦群を120人体制とし、衛星への電波妨害状況を把握する
第2宇宙作戦隊を発足させる。令和5年度にはSSAの本格運用を目指す。
鬼木誠防衛副大臣は18日の隊旗授与式後、「小さな部隊からスタートしたが、着実に体制整備を
進めている」と強調した。
ウクライナ侵攻では民間衛星の撮影画像が共有され、ロシア軍の動向把握に役立ったことが
知られている。中曽根平和研究所研究顧問の長島純元空将は「民間衛星が軍事目標に
なり得るということであり、防護の必要性が増した。今後、宇宙領域をめぐる競争は
先鋭化するだろう」と話す。
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宇宙作戦隊→宇宙作戦群→宇宙自衛隊