>>540
ウクライナ政府は東部の自国民に大至急の避難を呼びかけており、結果はどうあれ民間人が残留していた場合にマウリポリと同様の悲劇が起きる想定のようだ。
ロシアとしては、東部で既に勢力下にある地域と南部のクリミアを今後も維持するため、防衛線に厚みを持たせるための限定的な攻勢にとどまる可能性が強い。

またウクライナとしては、キーウ周辺など北部戦線を奪回させたとはいえ、今後もベラルーシへ退いて再編成した部隊や、場合によってはベラルーシ軍からの
攻撃で再度北部戦線を構築される恐れもあり、それに備える戦力は残さないといけない。
さらに南東部では、東部と南部のロシア勢力域の接続を防ぐべく、マウリポリの救出も行わなければいけないし、可能ならヘルソン州も奪回したい。

そこまで考えると、ウクライナ軍にも東部でロシア軍に攻勢をかけ大打撃を与えるほどの余力は乏しい。
積極的に攻めてくれば、北部戦線のように「誘い込んで側面から弱い部分を叩く」という戦術が使えるが、ロシアが同じように攻めてくれるかはわからない。

なお、核ミサイルを使ってもウクライナの防空システムを壊滅させられるわけではないし、では他の方法でといっても、ロシア空軍にはその能力がない。
結果として、今も行っているように通常弾頭の短距離弾道ミサイルや、ロケット弾など砲兵の長距離攻撃が今後も有効と思われる。
これはウクライナ軍にとっても防ぎようはない。

結論としては、「ただむやみにウクライナの民間人や施設に被害を与えただけで、ロシアとしては何しに戦争始めたんだかわからない」という結末に終わる可能性は高い。