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ウクライナ1カ月戦費が1兆2000億円 国家年予算2割、国防費8割超使い果たす
[2022年4月4日17時2分]

ロシアの侵攻を受けたウクライナの戦費が1カ月で約100億ドル(約1兆2000億円)に上ったことが分かった。
今年の国家予算全体の約5分の1、国防費120億ドルの80%以上を既に使い果たしたことになる。
4日で40日目となる長期交戦は、財政面から継続が難しくなる可能性もある。

戦費の問題は今月2日のゼレンスキー大統領と閣僚との会議で報告された。
今後の対応として、課税方式の見直しや外国への資金援助要請などが話し合われたという。

ロシア軍は部隊をウクライナ北部から、親ロ派が実効支配地を広げる南東部の戦闘に移し始めている。
ゼレンスキー政権は欧米への軍事援助要請をさらに強めるとみられるが、
黒海沿岸を封鎖され、制空権も事実上握られているため、兵器の輸送が大きな課題となる。

タス通信によると、昨年12月に成立したウクライナの2022年会計年度予算は歳入が約490億ドル、歳出が約554億ドル。
このうち国防関連予算は約120億ドルで、国内総生産(GDP)の約6%に当たる。

ウクライナはソ連時代から製鉄などの重工業が盛んで、特に戦車や飛行機の製造で栄えてきた。
だが政府高官によると、ロシア軍のミサイル攻撃などで軍需産業は既に壊滅状態にある。

また、世界有数の穀物輸出国でもあるが、戦闘で黒海の港湾が使えず輸出できない状態。
ウクライナ穀物協会会長はロイター通信に対し、同国は60億ドルの穀物輸出収入を失う恐れがあると述べた。

(共同)