ウクライナ「浄化」が必要とロシアで報道、エリート層除去を主張

 【ワシントン=横堀裕也】米国のバイデン大統領は4日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャなどで民間人の遺体が多数確認されたことについて、記者団に「ブチャで起きたことを見ただろう。プーチン(露大統領)は戦争犯罪人だ。裁判にかけるためにもあらゆる情報を収集しなければならない」と述べ、国際法廷の設置を呼びかけた。

 ウクライナ侵攻を続けるロシアについては、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)が捜査を開始している。バイデン氏は、国際法廷設置の具体的な手法には触れなかった。ジェイク・サリバン米国家安全保障担当大統領補佐官は4日の記者会見で「過去にICCで戦争犯罪人が裁かれてきたが、米国だけで決める話ではない」と述べ、設置にあたっては、同盟国・友好国との調整が必要であるとの認識を示した。
モスクワのクレムリン

 露国防省は3日の声明で民間人殺害などへの関与を否定している。一方、国営のロシア通信は3日、ウクライナが親米欧・反露路線の「ナチ化」を志向しているとして「浄化」の必要性を指摘した。民間人殺害を正当化したと受け取れる内容で、露軍が制圧地域で「ナチ政権」を支持しているかどうかの大規模調査を実施することやエリート層の除去を主張している。