戦争研究所(ISW) ロシア攻勢戦役評価 1700 ET 04.08.2022 (0600 JST 09.04.2022)

@ ウクライナ軍は、マリウポリ南東と東、特に港とアゾフスタル冶金工場(the Azovstal Metallurgy plant)で、ロシアの攻撃に対する抵抗を続けている。

A ドネツク・ルハンシク両州では、連日のロシア軍の攻撃をウクライナは撃退し続けている。
B ロシア製のトーチカUミサイルが東部ウクライナ、クラマトルスク駅の民間人脱出者が集まる場所に命中し、少なくとも死者50人と約100人の負傷者を出した。

C ロシア軍はスロビャンシクとバルヴィンコヴェへ向かい、イジューム南で攻撃を継続しているが、新たな領土をまったく獲得できていない。
D ウクライナは反撃を成功させて、ヘルソンへ西からさらに迫りつつあり、ロシアによる同市支配に脅威を与えている。

ロシア軍兵員の戦闘拒否問題。北部から撤退したある部隊では、
兵卒の80%が再度前線に送られることを拒否。ウクライナ参謀本部からの情報。

ロシア軍の補充人員確保の問題。ロシア軍西部軍管区司令官ジュラフレフ上級大将は同管区人事担当責任者ベリャフスキー少将を、兵員徴集の
成果が低いことを理由に解任した。  ウクライナ参謀本部からの情報。

ハルキウ周辺では、ウクライナ軍の反撃への対策として、ロシア軍が地雷埋設を実行している。

南部。ロシアが、多数の戦車と5,000人規模の部隊でのムィコラーイウ攻撃を行う計画がある、という“偽(フェイク)”情報を流布させようと試みている。

北部。撤退した露軍が敷設・埋設した地雷等の爆発物の処理には、数週間から数カ月はかかる見通し。

ベラルーシ。ウクライナとベラルーシの国境近くにロシア軍4個BTG(大隊戦術群)の存在が確認されている。
しかし、ウクライナ領内への攻撃を行う可能性は小さく、ウクライナ軍を引きつけておくことが目的とみられる。