ロシア国営メディアRIA通信が今週配信した、「ロシアはウクライナに何をすべきか」というタイトルの記事だ。

筆者のティモフェイ・セルゲイツェフ氏は、ウクライナが「国民国家として存立するのは不可能だ」と主張。国名さえも「おそらく維持できないだろう」としている。また、ウクライナの国家主義者のエリートについて、「抹殺されなくてはならない。再教育は不可能だ」と訴えている。
彼の理論の基となっているのは、ウクライナはナチス国家だという根拠のない主張だ。ウクライナ人のかなりの部分が「消極的ナチス」であり、共犯者であって、そのため有罪だとする。さらに、ロシアが戦争に勝利した後、ウクライナ人は少なくとも1世代は再教育が必要で、それにより「必然的に脱ウクライナ化がなされる」と訴えている。
前出のフィンケル准教授は、「ロシアの特にエリート層でここ何週間かでみられた論調の変化は、『意図のしきい値』と私たちが呼ぶ転換点だった。単に国を破壊するだけでなく(中略)アイデンティティーを破壊するものだ」と言う。
「この戦争の目的は脱ウクライナ化だ。(中略)国家ではなく、ウクライナ人に狙いを定めている」