ロシア兵大量動員でも訓練に課題か 米国防長官が指摘 (朝日 5/4)

ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、オースティン米国防長官は3日、「(プーチン大統領が)より多くの人々を動員することはありうる」と述べ、
ロシアが大規模な徴兵に踏み切る可能性に言及した。 その場合、徴兵した兵士の訓練に課題があるとも指摘した。

米上院の予算委員会の公聴会で語った。
オースティン氏は、ロシア軍の動員について、「十分に人々を訓練すればこれまでの戦闘よりも効果的になるが、それは疑わしい」と発言した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9983ad96d72ddd8904fbdd370e7d5ed54b6a1bbb

そもそも今のロシア軍が徴集兵らに科している1年程度の兵役期間では、一人前の兵士に育成するには到底時間が足りないと言われているし、
今から徴兵猶予基準を大幅に厳格化して徴兵対象年齢の男子を片端から徴兵したとしても、そいつらが兵隊として使い物になるのはずっと先の
話になります。

旧ソ連時代であれば、成人男子の大半は兵役服務中か軍務経験を済ませた予備役なので、膨大な人材プールを確保できていましたが、
ソ連崩壊から20年以上を経た2010年代にはロシア地上軍の常備軍は大幅に縮小され、徴兵対象者のごく一部(1-2割程度)しか徴用しなくても
平時の軍が回る規模になっていました。

何しろ、ウクライナ戦争勃発時のロシア地上軍は30万人強で、これが海空軍や沿岸警備隊や国境警備隊に内務省などの別枠の部隊を
除いた数字にしても、冷戦末期の常備軍だけで軽く200万人を超えた旧ソ連地上軍とは比較にならないほど縮小されました。

これでは過去10年以内に兵役を経験した者たちを予備役招集しても、短期間に50万や100万人規模の大兵力を集成する事は困難であるし、
そもそもウクライナ戦争では徴集兵らの戦意と練度の低さが問題になっているのだから、同様に練度も戦意も低い予備役兵をかき集めても
戦力としてはロクに当てにならないばかりか、徒に損害ばかりを増やす結果にしかならないでしょう。